ドラマ版
概要
私立探偵の工藤俊作が、街の仲間達の協力を得たり、彼を邪魔者扱いする刑事をおちょくったりしながら様々な事件を捜査して行く。作品の企画に伴い、プロデューサー山口剛の早稲田大学在学時代からの友人でハードボイルド評論家・翻訳|翻訳家である小鷹信光を招いてハードボイルド講習会を主催したりと企画段階では小鷹自身のハードボイルド論に基づいて本格的な主人公の設定が提案されている。しかし、実際の映像ではアドリブが頻発するなど、本気と冗談の境界線を行き来するかのような独特の世界観が築かれた。口数が多くコミカルな演技と、吹き替えなしのアクションシーンのギャップ等、松田の演じた本作品の主人公は、それまでのシリアスでニヒルなハードボイルドのヒーロー像を一変した。松田が担当した予告編ナレーションも回を重ねるごとにエスカレートし、後半はあらすじがまともに紹介されず、舞台裏の事情、愚痴、松田自身の近況報告に終始するなど、放映当時としては画期的な楽屋ネタの連発となった。ちなみに楽屋ネタは予告編だけでなく、ドラマ本編においても頻発した第17話での「お前ら、来週から来なくていい。プロデューサーさんにそう伝えとくわ」、第25話での「あと2回だと思うとファ〜ッとやる気が落ちるんだよ」など。。但し、最終回は一転してハードボイルドな展開であった。予告も松田、成田、山西、監督の小池要之助の4人の撮り卸しで挨拶という本編を見るまでは全く秘密だっただけにそのインパクトは大きかった。局側は原案通りのハードボイルド路線と『大都会 PARTIII』のようなアクション路線を制作側に要求していたが、結果的には松田の演技志向が優先され、コミカル路線にアドリブ演技が交わるテレビドラマとなった。ちなみに第3話では珍しくカーチェイスシーンがあり、そのシーンにて工藤が「おいおい、まるで大都会 PARTIIIじゃないか!」と前番組の余韻を皮肉るアドリブが飛び出していた。この第3話は一番最初に撮影され、当初第1話として放送予定であったのだが、後発の村川透監督の作品が「こちらの方が今の時代に合う」というプロデューサー全員の一致した意見で放送順が変えられた経緯がある。視聴率に関しては『大都会 PARTIII』には及ばず、当時アクション路線を強調していた日本テレビ火曜9時枠連続ドラマ|日本テレビ火曜夜9時枠の作品としては異色作扱いされ、一時マイナー作品として見られていた。だが松田が亡くなった直後に追悼の意をこめて再放送されたのを機に、新規のファンを増やす事となり、ついには松田の入門的かつ代表的作品にまで登りつめた感がある。
放送形式
登場人物
: 東京都千代田区平河町に工藤探偵事務所を構える私立探偵。ユーモアと自由を愛する男。
: サンフランシスコで刑事をしていた過去本編では殆ど紹介されていない。服部や松本も知らないようである。を持ち、市民権も持っているが、とある事件で仲間が殺された事で、その悲しみから仲間を作る事を恐れるようになり、日本に戻るだが舞い戻った日本でも、その性格から自然と仲間が出来るが、それが最終回での悲劇につながる事となる。。
: スーツと派手なカラーシャツを着こなし、ソフト帽とサングラスを愛用。移動手段はベスパP150X。タバコはキャメル (タバコ)|キャメルよく紹介文等で「マールボロ (タバコ)|マールボロ」(マルボロ)と書かれているが、第17話で「パチンコに行ったらキャメルが無かった」との発言があるとおり、劇中では一貫して「キャメルフィルターズ」のソフトパックを吸っている。ただし、事務所にはマルボロのロゴ入り灰皿がある。一度だけ「ピース10」(通称ショートピース)を爪楊枝に刺して吸っている場面が有る。を好み、(カルティエ製)ライターの火力は常に最大。冬季はスーツの上からダウンジャケットを着込む。聞き込みの際には情報提供者にマイクロフォン|マイク付きテープレコーダーのマイクをかたむける。月に1回、一人で豪勢なディナーを楽しむ。
: 乙女座生まれの潔癖症(第12話での工藤の台詞より)。
: 「コーヒーに砂糖とミルクは入れない主義」、「午前中と日曜日は仕事をしない主義」、「職業蔑視はしない主義」、「手相は見ない主義」、「相手にかかわらず約束は守る主義」「家庭のトラブルは扱わない」など多くの主義を持つ。
: 愛飲している飲み物はシェリー酒と牛乳。
: 就寝時はピンクのパジャマにアイマスク。
: 船舶に弱く、乗っているだけでも嘔吐感を催し昏倒する。
: イレギュラーな場面に遭遇し警察に嫌疑をかけられ新聞沙汰になる事も多々あるが前科はない。
: 施錠されているドアを易々と外し、手錠をかけられても素手で外すことが出来る。
: 工藤探偵事務所と同じビルに住むファッションモデル。頻繁に事務所を訪ねては工藤の世話をやきたがる。
: ナンシーと同居している俳優|女優の卵。ナンシー、かほり共に、工藤の事務所を自分の部屋同然に思っているらしく、二人そろって下着同然の姿で徘徊しては、松本刑事をドギマギさせていた。
: 敏腕の女弁護士。巨乳|ボインちゃん。美貌と才能を併せ持つ活動的な女性だが、金にうるさい。もっとも、ケチというわけではなく、必要であれば惜しげもなく金を使う。愛車は真っ赤なマツダ・コスモ。単独でドヤ街の犯行現場に赴いたり、犯罪者と知りながら直接行動を共にするなど大胆な面も持つ。
: 工藤を「工藤先生」と呼んで慕うチンピラ。野瀬演じる初代は影が薄かったが、第19話の本編中で前田演じる二代目のお披露目が行われ、それ以降は活躍の場が増えた。イレズミといっても初代は背中にマジックで「イレズミ者」と書いてあり、二代目もイレズミ柄のシャツを着ているだけ。最終話で殺害される。
: 事あるごとに工藤に付きまとい、因縁をつける刑事。横柄な態度で指図し指示を出すが女性に対しては丁重に扱う。そのために工藤からは煙たがられているが後半からは工藤の良き協力者になってゆく。このドラマで有名な「工藤ちゃ〜ん」というセリフは彼によるもの。極度の肩こりでよく金槌で肩を叩いているこれは、本作の企画意図を理解した成田が、アドリブで舞台設営用の金槌を小道具として用いたのが始まりとのこと。。
: 服部の部下。工藤のことを「乞食野郎」などと目の敵にしており、何かと口実をつけて逮捕しようとするが、大抵軽くあしらわれる。工藤の腕前だけは認めており、第25話で服部が濡れ衣を着せられ逮捕された時は真っ先に工藤を頼ってきた。女性に関してはかなりウブなようで、相木の色仕掛けにより学生時代の初体験を白状してしまったことも。刑事という自分の職業に情熱と誇りをもっているが社会の底辺で暮らしている市井の人間には、あからさまな蔑視を向ける。
: 工藤の昔からの腐れ縁。ビリヤードを嗜み、いつもマフィアの様なファッションで決めているが、4歳になる娘がいる。まわりには子供がいる事は秘密にしているようで、工藤にそのことを度々弄られ狼狽している。最工藤からの要請で盗聴の委託も引き受けたり、工藤へ情報を提供したりしている。終話の終盤、工藤と最後に言葉を交わした人物。
: 表向きは骨董屋だが、裏では工藤に拳銃を渡している。映画マニア。最終話で殺害される。
: 主に風俗店|風俗関係の事件で工藤に色々と情報を教えてくれるポン引き。
: 「あたしゃ、な〜んも知らないの」と言いながら工藤に色々と情報を教えてくれる宝石の盗品等関与罪|故買屋。酒好きで、登場時は大体酔っ払っている。
スタッフ
主題歌
作詞・作曲:ケーシー・ランキン|Casey Rankin 編曲:大谷和夫 歌:SHOGUN
作詞:Casey Rankin 作曲:大谷和夫、芳野藤丸 編曲:大谷和夫 歌:SHOGUN2曲ともシングル用、アルバム用、タイトルバック用、予告編用の4種類の音源が作られたすべて別個に録音されたものであり、演奏やボーカルが微妙に異なっている。。「Lonely Man」は、録音時には「Once Again」という仮題が付けられていた。なお、シングルでは「Lonely Man」がA面扱いになっている。1997年には、SHOGUNの再結成第1弾シングルとしてリメイクされた。こちらは「Bad City」が1曲目になっている。
劇伴(BGM)
作品リスト
劇場版
1998年2月に『蘇る優作 -探偵物語特別編-』のタイトルで公開された。内容は竹中直人のナレーションによるメモリアル映像と、劇場用にブローアップした第1話・第5話。