階級の設定に関する疑問点
本作の劇中において、レギュラーメンバーは全員「刑事」として表現されており、警察官としての階級については具体的な描写がほとんどない。そのため、階級についての設定は書籍等に掲載されているが、その設定は充分な統一が取れておらずファンに対して論争の種を提供している。; 藤堂俊介(ボス)
: 近年の資料には警部補と記されているが、これは誤りで警部ではないかと思われる理由がいくつか存在し、事実、放映当時の学習雑誌では「藤堂警部」と紹介されている。以下に警部説の根拠となる点を列記する。
:* 警部であった山村が降格処分を受けて警部補となっており、藤堂にとって階級が上である部下の存在は警察組織上ありえない。
:* 665話「殉職刑事たちよやすらかに」で「藤堂警部」と階級付きで呼ばれていること、署長以外の上司が登場せず刑事課長も兼任していた節があること(ただ兼任であれば上位の職名を優先して名乗るのが筋だが)。
:* 準備稿を元にした小説版で「藤堂警部」の記述があること(77話のエピソード)。
:* 藤堂は元々国家公務員上級職試験(当時)採用のいわゆる「キャリア (国家公務員)|キャリア」で、警察官僚のあり方に反発を覚えて係長に留まっているという設定からキャリアが藤堂の年齢で警部補はありえず、続編たる七曲署捜査一係シリーズで舘ひろし扮する山岡係長の設定にまた同様のものがあること。
:* 終了10周年記念写真集「極彩の記憶」で「階級/警部」の記述があること。
:* 職務代行者の橘が警部であること。
: 警部補説の根拠としては以下のとおりである。
:* そもそも実際の警察組織において所轄署係長の階級が基本的に警部補。
:* 岡田プロデューサーがDVDの解説書で「藤堂は警部補」と答えている。しかし、その理由は上記の現実に則したものではなく「警部だと署長になるので」と述べている(実際に署長に就けるのは警視または警視正)。岡田は、警察組織を熟知していないと自身の著書『青春ドラマ夢伝説』で述べており、警部補説はそのための誤解から生じた可能性が高い。
: 石塚は昇進試験を申請するエピソード(「午前十時爆破予定」「パズル」)があるが、捜査のために止むを得ず棄権、「万年ヒラ巡査」として描かれていた。劇中で「巡査部長」に昇進したエピソードは存在していない。ただし、巡査長を拝命していた可能性はある。また、彼の実家は脚本毎に変っているなど、プロフィールの設定が統一されていない。
: 「刑事失格」の中で警部補と書かれている書類が画面に登場している。実際、堂々たる態度で藤堂や山村と対等に問答し、警察幹部に直談判に赴くなど平刑事には見えない言動で視聴者を惑わせた。しかし、彼が警部補と考えた場合、石塚、島、野崎ら中堅メンバーが滝の先輩・上司として描かれていて、警部補の設定とは矛盾が生じる。これは、チームの中堅である石塚や島が本来ならば巡査部長か警部補にあたるポジションで描かれながら、この時期の本作においてはベテラン刑事以外がほとんどヒラに設定されていたために生じた矛盾である。滝の階級もその経歴からは警部補がふさわしいが、そのキャラクター設定上石塚達より上の階級にするわけにはいかず、一律巡査とされてしまったと思われる。後に加入した西條昭も本庁捜査一課からの転属で巡査部長以上が適当であったが、同様の理由で巡査だと類推される。前述「極彩の記憶」の設定上では、警部が藤堂・橘、警部補が山村、巡査部長が野崎・井川、他はすべて巡査となっている。上記のような作品世界内の矛盾および現実の警察組織との不整合から、後番組『ジャングル』では中堅・ベテラン刑事を警部補や巡査部長に設定して調整した。なお『太陽にほえろ!』の作品世界内での警察組織がどこまで現実に準じているかは不明確であり、上記のさまざまな論争は今後もファンにとっての話題になり続けていくと思われる。