作風
内容
ドラマ冒頭で、ゲスト俳優演じる犯人によって殺人が行われ、視聴者は「犯行の全容」を知ることができる。完璧と思われていた犯行を、田村正和演じる警部補の古畑任三郎が、巧みな話術と卓越した推理力で犯人のアリバイやトリックを崩していき、真相を解明していくストーリー。
ドラマ様式
本作は、『刑事コロンボ』で知られる推理小説#サブジャンル/テーマ|倒叙ものと言われる形式でストーリーが進行していく。これは、犯行の様子をまず見せておき、刑事の古畑任三郎が真犯人とのやりとりや様々な証拠から容疑を固め、最後に自供に追い込むというパターンである。また、犯人は(ストーリーの中の世界で)有名人や社会的地位の高い人物が多いのも「コロンボ」と同様である。視聴者は「誰が真犯人なのか?」という興味ではなく、「真犯人をどうやって追い詰めるか?」という点に目が向けられることになる。そのため放送の前半に犯人役及び犯行シーンが公開される(第40回はこの例外であり、倒叙を逆手に取った構成になっている)。犯人が最後までわからないストーリーでは犯人役に大物俳優を使うことが難しい(配役だけで視聴者に犯人が分かってしまう)が、この手法を取り入れることにより大物ゲストを無理なく犯人役に迎えることができるようになっている。初回放映当時、日本の刑事ドラマに倒叙形式は馴染みが薄く、前半の事件篇で視聴者に開示される、犯人が行うトリックや古畑が気がつく手がかりなどを「ネタバレ」と勘違いする視聴者が少なくなかった。現在でも、倒叙形式を理解せずその点を指摘して「ネタバレ」と勘違いする視聴者が稀におり、これが、『古畑任三郎』を語りにくいものにしている。古畑は、主役でありながら冒頭のオープニングシーンには登場するものの本編に入ってからは登場しない。これは前述にもあるが犯人と被害者のやり取りや犯人の犯行シーンなどを見せるため、ほとんどのストーリーなどでは、誰かが警察に通報するまで古畑は登場しない。SMAPの回に至ってはアヴァンタイトルを除き本編開始時から約1時間以上古畑が登場しなかった。前半の事件篇の最後に、画面が暗転して、古畑が視聴者に向かって「挑戦」する構成は、アメリカのテレビ・ムービー『:en:Ellery Queen (TV series)|エラリー・クイーン』からの引用である。脚本の三谷幸喜は少年時代、テレビ東京|東京12チャンネルで放送されていたこの番組のファンであった。古畑の乗る自転車は、セリーヌのブランドだがメーカーはブリヂストン(ブリヂストンサイクル株式会社)である。