検事と検察庁と法曹界
劇中では検事と警察の確執や助け合いなども良く描かれている。舞台の地検はおそらく検察庁#組織|区検を模倣したと思われる。劇中では刑事部が支部の内部組織ということになっているが、実際は本庁内の部署である。検事の捜査権限は警察(刑事など)よりも遥かに大きく、刑事訴追(公判請求)する権限は検察官の専権事項(起訴独占主義)であり、国家権力|国家権力の執行者といえば警察よりむしろ検察である。また、検事は単独でその権限を行使できる、強大な権力を与えられている。そのため、警察の捜査員を見下している検察官が存在するのは事実であり、劇中でも鋭く描かれている。その中で、久利生検事は刑事さながらの行動派な検事として自ら現場の捜査も行い、その様は法曹界における型破りな検事像である。しかし、実際は検事が事件ひとつひとつを警察のようには捜査しない。検事は捜査権を持ってはいるが、それを行使するのは極めて例外的な刑事事件や重大事件に限定されているので、現実には痴漢や強盗などでは実地捜査まではしない。また、検察においても警察のように事件に等級を付けるのだが、警察では殺人や強姦・強盗などは無論重大事件として扱うが、検察では大きな事件といえば政治事件や経済事件、暴動事件など大多数の人間が絡むものや、政界を揺るがす大スキャンダルなどである。また、殺人事件や過失致死事件などの人を死に至らしめる犯罪に関する事件のなかでも過失致死より意図的に2人以上殺した凶悪事件のほうが大きく扱われる。普通、警察は政治事件に首を突っ込めないので、専ら検察の独壇場となるのだが、それ以外の事件では警察の捜査領域とぶつかったりするので確執が生まれやすいが、時には助け合うこともあり、戦友としてお互い尊重しあっている所もある。検事というのは基本的に司法試験に合格したキャリア (国家公務員)|キャリアで、裁判官や弁護士と共に法曹資格者である。その為、いわゆる警察などにあるノンキャリアとキャリアの確執はないのだが、法曹資格者である検事と国家公務員である事務官の確執は少なからず存在している。また作中の雨宮が志向しているように内部試験により副検事となり、更に内部試験により検事に昇進する道筋がある。ただ内部試験で昇格した検事は非常に少なく、一般の検事とは区別され「特任検事」と呼ばれる(副検事・特任検事共に法曹資格は無いので、退官後に弁護士になることは出来なかったが、平成16年の法改正により特任検事は在職5年以上で弁護士になる道が開かれた)。事務官も起訴権こそないが捜査|捜査権はあるので、警察でいえば刑事のような犯罪捜査も直接行う権限は持ち合わせており、逮捕権も持っている。また検察事務官の職務は幅広く、概ね事務局、検務、公判担当、捜査担当、立会事務官等に分かれ、作中に登場する検事を補佐するのは立会事務官である。ちなみに劇中では「地検特捜部」の検事があたかも「本庁所属のエリート」といった趣で描かれていたが、検察庁は警察の警視庁とは違い、刑事部も特捜部も検察庁本庁の組織で、どちらの検事も地検本庁所属なので、どちらが上でどちらが下という優劣はなく、特捜部も刑事部も地検の中では同等の一部署である。特捜部の検事が花形と思われているのは、単にマスコミに顔を出す機会が多いからであって、刑事部も検察庁の一部として同等の役割は果たしている。
また検事の数は常に不足しており、地方の小さな地検支部には検事が居らず、副検事が代行していることが多い。